リーズン顆粒水和剤で、混用の手間が省け、 てんさいの夏の防除回数も減らせた。
野口裕史さん(左)とJAめまんべつ購買部(取材当時)の甲田健次さん(右)
北海道でてんさいを栽培されている野口さんにお話を伺いました
北海道網走郡で、お父様、お母様と3人で営農されている野口さん。収量・品質の安定化を見据えた「予防防除の徹底」がモットー。てんさい12ha、ばれいしょ12ha、小麦11ha、小豆・大豆4haを作付されています。そんな野口さんに、てんさいの害虫対策についてお話を伺いました。
てんさいの大敵は、アブラムシとヨトウムシ
自分の経営作物の中でも特に「てんさいが好き」という野口さん。天候に左右されず安定した収穫が見込める点と、手をかけた分だけ品質と収量に反映されるところに惚れ込んでいるそうです。そんなてんさいの大敵となっている害虫が、アブラムシとヨトウムシ。
「アブラムシはここ3〜4年特に問題になっています。食害された箇所からウイルスに感染して糖分や収量が大きく落ちちゃう。ヨトウムシも品質・収量に影響することがあります」。
これまでに大きな害虫被害は皆無というほど予防防除を徹底されている野口さん。そのローテーションの要となっていたのが、アクタラ顆粒水溶剤とマッチ乳剤。6月下旬から8月下旬にかけて、この2剤を混用することでアブラムシとヨトウムシを抑えてきたといいます。
リーズン顆粒水和剤で、てんさいの夏の防除回数を一回減らせた
アクタラ顆粒水溶剤とマッチ乳剤という2剤の成分を混合したリーズン顆粒水和剤(以下、リーズン)が、てんさいに適用拡大されたのが2018年のこと。野口さんは早速試験を行うことにしました。リーズンを使用した感想として、「アクタラとマッチを混ぜる手間が省けてラクですね」と野口さん。
メリットはそれだけではありません。リーズンは、残効が長いことから、害虫防除の作業を1回減らすことができたといいます。「防除を1回減らせたぶん、ほかの作業に手が回るのでとても助かります。しかも減らせるのはお盆の一番暑い時期なので、体の負担も減りますね」。2019年からは12haのてんさい圃場すべてにリーズンをご使用いただき、今後もその方針は変わらないとのこと。
野口さんの「てんさいの防除スケジュール」
「農業においても働き方改革は大きな課題。労力低減につながる薬剤を上手に活用して、家族との時間を大切にしていきたいですね」と3人の子供を持つ〝良きパパ〞としての横顔ものぞかせてくれました。
2020年2月取材
「みちくさプレス 85号」より転載(一部編集)